MathTriangleの雑記帳

主に数学について書いていくブログです。数学の他にパズル、謎解き、音楽にも興味があります。

べき乗の大小関係

a≧0、b≧0のとき、

a>b⇔a^n>b^n(nは任意の自然数)

が成り立つ。

【証】数学的帰納法により示す。

(i)n=1のとき:

a>b⇔a^1>b^1⇔a^n>b^n

となるので成り立つ。

(ii)n=k(≧1)のとき成り立っていると仮定すると、a>b⇔a^k>b^kである。

 (→):a>bとすると、a-b>0であり、b≧0よりa>0となって、a^k>0となるので、(a^k)(a-b)>0となる。また帰納法の仮定よりa^k-b^k>0となり、b≧0なので、(a^k-b^k)b≧0となる。よって、

a^(k+1)-b^(k+1)=(a^k)(a-b)+(a^k-b^k)b>0

となるので、a^(k+1)>b^(k+1)が成り立つ。

 (←):a^(k+1)>b^(k+1)とすると、

a^(k+1)-b^(k+1)=(a^k)(a-b)+(a^k-b^k)b>0…※

となり、もし、a≦bとすると、a-b≦0となり、a≧0よりa^k≧0なので、(a^k)(a-b)≦0となる。またa≦bなので、帰納法の仮定よりa^k-b^k≦0であり、b≧0なので、(a^k-b^k)b≦0となる。よって、

(a^k)(a-b)+(a^k-b^k)b≦0

となって、※に反するので、a>bである。

 よって、(→)、(←)より、n=k+1のときも成り立つ。

よって、(i)、(ii)が示されたので、数学的帰納法より題意が示された。■