a≧0、b≧0のとき、
a>b⇔a^n>b^n(nは任意の自然数)
が成り立つ。
【証】数学的帰納法により示す。
(i)n=1のとき:
a>b⇔a^1>b^1⇔a^n>b^n
となるので成り立つ。
(ii)n=k(≧1)のとき成り立っていると仮定すると、a>b⇔a^k>b^kである。
(→):a>bとすると、a-b>0であり、b≧0よりa>0となって、a^k>0となるので、(a^k)(a-b)>0となる。また帰納法の仮定よりa^k-b^k>0となり、b≧0なので、(a^k-b^k)b≧0となる。よって、
a^(k+1)-b^(k+1)=(a^k)(a-b)+(a^k-b^k)b>0
となるので、a^(k+1)>b^(k+1)が成り立つ。
(←):a^(k+1)>b^(k+1)とすると、
a^(k+1)-b^(k+1)=(a^k)(a-b)+(a^k-b^k)b>0…※
となり、もし、a≦bとすると、a-b≦0となり、a≧0よりa^k≧0なので、(a^k)(a-b)≦0となる。またa≦bなので、帰納法の仮定よりa^k-b^k≦0であり、b≧0なので、(a^k-b^k)b≦0となる。よって、
(a^k)(a-b)+(a^k-b^k)b≦0
となって、※に反するので、a>bである。
よって、(→)、(←)より、n=k+1のときも成り立つ。
よって、(i)、(ii)が示されたので、数学的帰納法より題意が示された。■